インタビュー

女性がきれいになるお手伝いができる。
それがこの仕事の大きな喜びです。

ヘアサロン「HAZY」オーナー吉野 和子

「いくつになっても新しいことにチャレンジするワクワク感が大好き」と話す吉野さん。経営するヘアサロンでも、お客様に刺激を与えられるような新鮮なスタイルやサービスを常に発信し続けています。

ラジオの深夜放送がきっかけでこの仕事に

 吉野さんが美容師を志したのは、高校時代によく聴いていたラジオの深夜放送がきっかけでした。

「当時、大ファンだったアーティストが、パーソナリティーを務めていた番組で、高校時代に美容院でアルバイトをしていたと話していたのです」

 おしゃれが大好きで、ヘアスタイルやメイクにも興味があった吉野さんは、美容院でバイトなんてかっこいいかも、と触発されて、さっそく近所のヘアサロンでアルバイトを始めたといいます。高校卒業後は美容専門学校へと進み、資格取得後に地元の名古屋から上京しました。

「親は反対しましたが、どうせやるなら東京で勝負してみたいと思ったのです。最初は寮のあるところを探したので、ちょっと外れにあるお店に勤めたのですが、頑張ってお金を貯めて引っ越し、都心のサロンに転職しました」

プロ中のプロを目指しサロンをオープン

 青山の大手サロンでメキメキと頭角を現した吉野さんは、やがて店長を務めるまでに。サロンワークの傍ら、雑誌やテレビの撮影、講習会などでも活躍した後、独立。10年ほど前に若者に人気の街、恵比寿にヘアサロン『HAZY』をオープンしました。

「さまざまな出逢いやチャンスの恵まれ、勢いでお店を出すことになったものの、まだ30代前半と若かったので、経営の大変さなど全然ピンと来ていませんでした。オープンにあたって目指したのは、”本物を見極めたサロン”。自分自身も含めてプロ中のプロに、お客様が安心して何でも相談できて、的確なアドバイスを得られる場所にしたいと思いました」と吉野さん。店名の『HAZY』は、音の響きが気に入って直感で決めたそうですが、「霧などでぼんやりとかすんだ」という意味にもちなんで、どこか神秘的な魅力を感じてほしいという願いも込めました。

 サロンを訪れるお客様には、オープン当初から通ってくれている人や、吉野さんがスタイリストになったばかりの頃からのお得意様も多いといいます。

髪の悩みに合わせたヘアケア商品選びを

「お客様の年齢層は幅広くて、50代や60代、70代の方もたくさんいらっしゃいます。そういう年代の皆さんからは、抜け毛や薄毛のご相談を受けることが多いですね。もちろん、ボリュームが出やすいヘアスタイルをご提案させていただきますが、日頃のヘアケアの大切さなどについてもできるだけ、アドバイスするようにしています。とくに気をつけていただきたいのは、シャンプーやコンディショナーなど、ヘアケア商品の選び方、髪や地肌のことをよく考えて開発されたいいものを使うだけで、ハリやコシ、ボリュームが確実に違ってくるんですよ。基本は、地肌の汚れをきれいに落とすこと。そのうえで、髪の成分に近いものをしっかりと補ってあげることを心がけていただきたいですね」

 髪を洗うときは爪を立てて地肌を傷つけないことや、ドライヤーを髪に近づけすぎないことなども大切だといいます。

「この仕事のいちばんの喜びは、お客さまが素敵になるお手伝いができること。これからも、そのための情報をどんどん発信していきたいと思っています」

  • 1. 分け目が付きやすい部分の前髪を濡らして根元から下ろし、毛先だけ斜めに流してカールピンで止める。
  • 2. 根元からドライヤーをかけて前髪を乾かす。ドライヤーは地肌に近づけないよう注意すること。
  • 3. 乾いたらピンをはずし、手ぐしで分け目がつかないように整えたら完成。前髪がわかれにくくなる。

※虹色通信 2013年春 号より

ヘアサロン「HAZY」オーナー、スタイリスト

吉野 和子

青山の大手ヘアサロンの店長を務め、サロンワークを中心に、雑誌やテレビなどの撮影、講習などで活躍後、独立。東京都渋谷区に『HAZY』をオープンする。プロ中のプロを目指し、デザイン、ヘアケア、イメージアップなど、あらゆる角度からプランを立てて提案。ヘアメイクやイベント、雑誌の撮影などでも個性的な独自のスタイルを確立するとともに、神秘的な興奮を味わってもらえるヘアサロンづくりにも力を入れている。

[wl]http://hazy.biz