私たちが当たり前のように食べている食品には、酵母菌が関わっている食品が数多くあります。例えば、酵母と聞いてパンをイメージする方は多いのではないでしょうか?酵母菌のおかげでパンは膨らんでいます。また、味噌や醤油などの調味料も酵母菌がなければおいしくならないし、あの独特のいい香りも生まれてきません。さて、酵母とはどういったものなのでしょうか?
酵母基本データ
- 真核で単細胞の微生物である。
- 運動性はなく、細胞壁を持っている。
- 楕円形の形状をしている。
- 栄養として外部の有機物を分解吸収する。
真核とは核膜に囲まれた核の持つ生物のことです。酵母とは、発酵を行う微生物の中でも主に糖分を分解してアルコールを生成する微生物の総称です。酵母菌は現在、約350種類あると言われています。酵母菌は千数百種にのぼる酵素を含有しており、いわば「酵素の母」と言えます。パンを膨らませたり、ワインや日本酒、味噌、醤油などの醸造にも使われていて、それぞれの製法に適した酵母が使い分けられます。
酵母の働き
酵母菌の働きは、以下の2つ状態によって大きく分けられます。
- 嫌気性の環境下(酸素がない状態)
- 嫌気性の環境下では、アルコール発酵をして、二酸化炭素と香るの元となるエタノールを排出します。主に樽に詰め込んで発酵させる味噌やお酒などが嫌気性の環境下で作られた食品です。
- 好気性の環境下(酸素がある状態)
- 好気性の環境下では、ビタミンを合成します。主に毎日混ぜることで十分に酸素が行き渡った状態ににして発酵させるぬか漬けが好気性の環境下で作られた食品です。
酵母菌は酸素があってもなくても、どちらでも働くことができる菌なのです。
酵母の効果
身体に良いとされる酵母ですが、実際にどのような効果があるのでしょうか?酵母を摂取することで以下の効果が期待されると一般的に言われています。
- 糖質の吸収を抑制する効果
- 食事中の糖質を体内で吸収される前に分解し、糖質の過剰な吸収を抑制します。
- 便秘を改善する効果
- 酵母には食物繊維が含まれており、腸内の消化を助けます。
- 免疫力を高める効果
- 体内に侵入した異物に対して攻撃する働きを持ちます。
- 疲労回復効果
- 酵母にはビタミンB群が豊富に含まれており、細胞の新陳代謝を促します。