インタビュー

笑顔力をアップして幸せな人生を

表情筋トレーナー北野 美穂子

顔の筋肉が衰えると、年齢以上に老けてみえてしまうこともあります。表情筋を鍛えて、人生が変わるような素敵な笑顔を手に入れましょう。

鏡に写ったほうれい線がきっかけで一念発起

 旅先で写した家族写真や、かつての級友たちと笑顔で写った同窓会写真などを見て、”私って、こんなに老けていたっけ?”とショックを受けた経験はありませんか?

 現在は表情筋トレーナーとして活躍する北野美穂子さんも、40歳のある日、ショッピング中に鏡に映った自分の姿を見て、大きな衝撃を受けたといいます。

「小鼻から口元にかけてのほうれい線がくっきりと目立っていて、なんて老けているんだ!?と我ながら驚いたのです。大急ぎで高価な美容液やクリームを買って試してみたもののあまり効果は感じられず、エステにも行きましたが金銭的に通い続けるのは難しいと思いました」

 そんなときに、雑誌で知って興味を持ったのが、顔の表情筋に働きかけるフェイスストレッチでした。実は北野さん、結婚前は歯科衛生士として歯科医院に勤務していた経験があり、顔の筋肉が口元などの表情をつくるのに大きく影響しているということをよく知っていたのです。

「独学で勉強して、1年間続けていたら、ほうれい線が明らかに薄くなりました。これは効果があると確信したので、その後、専門的な知識を身につけるために表情筋トレーニングの第一人者の先生に習い、人に教えられる資格も取得したのです」

表情筋トレーニングにはうれしいメリットがいっぱい

 顔には、目や口鼻などを動かす表情筋が30種類以上も存在し、これらが相互に作用することで複雑な表情をつくり出しているといいます。

「一般的に、表情筋は20~30%程度しか使われていないといわれています。使われずにいるとどんどん衰えてしまい、顔がたるむのはもちろん、血行が悪くなって肌にくすみやクマなどもできやすくなります」と北野さん。すぐに顔をしかめるクセがある人などのように、表情筋の一部分だけをよく動かしていると、表情ジワが特定の場所に出やすくなることもあるそうです。

「年齢を重ねると、額に横ジワが出る人も多いですよね。これも、本来はまぶたを上げるための筋肉が使われていなくて、額の筋肉を使ってまぶたを引き上げているせいでシワが出る場合が多いのです」

 なかでも、北野さんが気になるのは、加齢とともに笑顔がつくれないという人が増えていることです。

「自然な笑顔というのは、左右の口角がキュッと上がっているものなのですが、口角を上げる筋肉が衰えているといまく上がらないのです。笑顔でいることには、さまざまな効果があります。人は楽しいから笑うのみならず、笑うことで脳に刺激を与えて楽しくなってくるということもあるのです。笑うと免疫細胞も活性化するし、いいことづくめなんですよ」

  • 二重あごや首のシワを防ぐ

    • 1. まっすぐ前を見てスタート。顔のどこにも力を入れずリラックスします。
    • 2. 首の前側を伸ばすようにしながら、頭を倒せるところまでゆっくりと後ろに倒していきます。
    • 3. 倒しきったところで下あご全体を前方に突き出して5秒間キープ。ゆっくり元の姿勢に戻します。「顎舌骨筋」という筋肉が鍛えられます。
  • 目をパッチリ大きくする

    • 1. まっすぐ鏡を見てスタート。顔のどこにも力を入れずリラックスします。
    • 2. 眉や額を動かさず、「眼輪筋」という目のまわりの筋肉を使って左右のまぶたをゆっくりと閉じていきます。薄目を開けた状態で3秒間キープ。
    • 3. 両目をポンと閉じ、上下のまぶたをギュッと押し合うようにして5つ数えたら、ゆっくりと目を開けます。
  • 口角を上げてほうれい線を薄く

    • 1. まっすぐ鏡を見てスタート。顔のどこにも力を入れずリラックスします。
    • 2. 目尻から口角にかけて「小頬骨筋」という表情筋があります。この筋肉全体を使って口角を片方ずつゆっくり引き上げて、ゆっくり引き上げて、ゆっくりと戻します。
    • N.G. 口角だけに力を入れて上げるのはNG。表情筋が鍛えられません。

笑顔美人になって周囲の人たちも幸せに

 3人のお子さんたちも成長し、2年ほど前からは本格的に起業して、個人レッスンやグループレッスンを教えている北野さん。

「受講した多くの方に喜んでいただけるのがとてもうれしいです。先日も、”きれいに笑えないのがコンプレックスで写真に写るのも大嫌いだったのですが、先生のレッスンのおかげで思い切り笑えるようになって幸せです!”とメッセージをいただきました。笑顔が増えると、大げさではなく人生が変わると思うんです。笑顔には、自分自身はもちろん、まわりの人たちも幸せにする力がありますから」

 北野さんによると、毎朝、鏡の自分に向かってとびきりの笑顔を見せることにも大きな意味があるそう。

「さらに”今日もいいことあるよ”と声に出すことで、脳が笑顔と言葉の両方から情報をキャッチして、実現に向けて行動を変えてくれるんですよ」

※虹色通信 2014年冬 号より

表情筋トレーナー

北野 美穂子

和歌山県生まれ。歯科衛生士として勤務後、結婚して3児の母に。40歳のときにフェイスストレッチに出会い、1年間の独学の後、ホームサロンの資格を取得する。市主催講座やカルチャースクール、ホテルや人材派遣などの笑顔力アップセミナーなどの講師を経て、2013年4月、本格的に起業。表情筋を鍛えて笑顔が増すと脳が活性化することを知り、脳科学のDNAや細胞の分野で博士号を持つ西博士の元で最新の脳科学も学んでいる。

[wl]https://ameblo.jp/miporinrin8118/